ここはパラダイス。
「楽しい園」という意味の名を持つ国で中心都市。
そこから、少し離れた星の形をした小さな島・・・「ポラリス」。
その島の先端の祠にある「星剣」・・・・そこから全てが始まるのであった・・・。

〜第一章〜「謎の声・・・」

レッド・アンディーブは目を覚ました。そして、
気が付けば学校だった。しかも、授業中。
「また、あの夢か・・・。ココんとこ、この夢ばっかだな。」
小さな声で呟いた。
(ガラン、ゴロン、ガラン、ゴロン........)
授業が終わる鐘の音が、青い星をてっぺんに掲げる大きな何棟にも分かれる建物の敷地をうならせた。
「んーーーーっ、終わったのか。」
さっきの夢の事など全く気にせず、勢い良く椅子から立ち上がり、レッドは伸びをし、つんつんと立った
少し赤みがかった茶色の頭をボリボリかいた。
今まで、座っていたせいか、はたまた彼の性格が雑なのか前は整っていたであろう星をモチーフにした制服は
シワシワになっていた。
「さってと、今日は地の曜日だし、アイツはクラブないだろうから、拾って帰るか。」
そういうと、机の横にかかっていた、星の留め金のついた茶色い鞄を勢い良くとり、肩に乗せる感じに持ち教室を
出ようとした。
すると、低い男の声が呼び止めるように少年には、はっきり聞こえた。
『我の後継者よ、災いが訪れるぞ・・・・今こそ我が力を・・・』
レッドは振り返った。だが、誰もいない。居るわけが無い。彼の座っていた席は窓側であり、そこから見えるのは島の
先端の星剣が納められている祠で、
しかも周辺には誰も居ない。
居たとしてもここからはかなり離れていて、大声を出しても聞こえるはずが無かった。
(ボトッ)
レッドは呆然として、そのまま持っていた鞄を落とした。
「レッド、鞄落ちてるよ。」
声をかけたのは金髪の美少年だった。
その美少年とはレッドの幼馴染のカリー・マルシェだった。
カリーは落とした鞄を拾い、パンパンと汚れをはらった。
「・・・・・。」
レッドはまだ声をかけられたことに気づくことなく呆然と立ち尽くしたままだ。
「ねえ、どうしたの?」
レッドは全く聞こえいないようなので今度は少し大きめの声で言った。
「うわ〜〜〜っ!!!」
(ドスッ)
レッドは大声を上げ、そのまま尻餅をついた。教室の生徒たちはレッドの声に驚いている。
「大丈夫?」
カリーは床に座り込んだままのレッドにかがんで手を差し伸べた。すると、レッドはその手を両手で
がしっと掴んで怯えるようにカリーの大きな緑の瞳を見つめた。
「かかかかか、カリ〜、お、おば、おば、お化けの声が・・・・」
そう言うとレッドは窓の外を指差した。
カリーは窓の外を見た。
「・・・・・悪さをした幽霊は居ないみたいだよ。寝ぼけてたの?」
カリーは幼少の頃から不思議な力というものを持っていて、お化け、幽霊の類がみえるのだった。
「で、でも、声が聞こえたんだよ〜。たぶん、あそこの祠だと思う。」
カリーは今度は祠の方を集中して見た。
「あれ?居なくなってる。」
「え?居なくなってるって?」
レッドはカリーの変な答えに質問した。
「う、うん。あそこの祠にね、いつもは騎士みたいな人がずっと座って眠ってたんだ。だけど、今日は居ない。 どうしてだろう?」
レッドはぞっとした。
「帰ろう、カリー。」
「え?あっ・・・」
レッドはカリーの手を掴んで急いで教室をあとにした。

(けど、あの声どこかで・・・・)

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